まず確認すること:デジタル手続きの全体像
親が亡くなった際、遺族は役所での手続きや葬儀の準備など、膨大なタスクに追われます。それに加えて現代では、スマホやパソコンの中にある「デジタル資産」の整理や解約といったデジタル手続きも必要不可欠となっています。
デジタル手続きは「どこに何があるか見えにくい」という特徴があるため、焦らずに優先順位をつけて対応していくことが大切です。この記事では、遺族が今何をすべきか、デジタル手続きに絞って優先順位を解説します。
デジタル手続きの優先順位
手続きは、期限の短さや金銭的リスクの大きさによって、3つのフェーズに分けて進めましょう。
緊急(1週間以内):スマホの確認とクレジットカードの停止準備
まず最優先すべきは、故人のスマートフォンのロックが解除できるかどうかの確認です。パスコードが分かる場合は、決して変更したり初期化したりせず、安全な場所に保管します。また、悪用防止やサブスクの課金停止を目的として、クレジットカード会社へ連絡し、引き落としを停止する準備を始めます。
1ヶ月以内:ネット銀行・証券の確認とサブスク解約
スマホの中身や届いた郵便物などから、ネット銀行やネット証券の存在を確認します。存在が判明したら各金融機関の相続窓口へ連絡します。同時に、毎月課金されている有料サービス(サブスクリプション)の解約手続きを進めます。
3ヶ月以内:SNSアカウントやクラウドの整理
SNS(LINE、X、Facebookなど)のアカウント削除や、追悼アカウントへの移行申請を行います。また、クラウド上に保存されている写真や動画データを遺族の端末へ移行・保存する作業も、落ち着いてきたこの時期に行います。
スマホのロックが解除できない場合
デジタル手続きにおいて最大の壁となるのが「パスコードが分からずスマホが開けない」という事態です。スマホにはすべての契約情報が詰まっています。
残念ながら、Apple(iPhone)はプライバシー保護の観点から、原則として遺族からのアンロック依頼には応じていません。Androidの場合はメーカーや機種によって対応が異なりますが、初期化(データ消去)しかできないケースが大半です。パスコードが分からない場合は、メールや郵便物、通帳の引き落とし履歴など、別のルートから契約情報を探っていくしかありません。
ネット銀行・証券口座の手続き
通帳やカードがないネット銀行は、スマホのアプリ一覧や受信メールから存在を確認します。サービスからの「お知らせ」メールなどが届いていないかチェックしましょう。
口座があることが分かったら、各銀行の相続専門窓口(サポートセンター)に電話連絡をします。連絡した時点で口座は凍結され、その後は戸籍謄本などの必要書類を郵送して相続手続きを進める流れとなります。
サブスクリプションの解約
動画配信やクラウドサービスなどのサブスクは、クレジットカードの利用を停止することで、次回の引き落としができず自動的に解約・停止扱いとなるケースが多いです。
しかし、カードを止められない事情がある場合や、個別に解約したい場合は、各サービスのサポート窓口へ遺族から個別に連絡を入れる必要があります。
事前の備えがあれば、どれだけ楽だったか
実際に手続きを進めていくと、「スマホのパスコードさえ分かっていれば」「何のサービスを使っているか一覧があれば」と、切実に感じるはずです。親世代はデジタルに不慣れなことも多く、情報が整理されていないケースが少なくありません。
こうした苦労を自分たちの世代で繰り返さないためにも、親子でデジタル終活について話し合ってみることをおすすめします。アプリ「Kagimori」を使えば、パスコードやサブスクの一覧、解約手順をスマホに暗号化して整理でき、もしもの時は家族へ安全に引き継げます。親子で一緒にアカウントを作り、情報の残し方を共有しておくのも一つの方法です。
まとめ
親が急に亡くなった際のデジタル手続きは、以下のように優先順位をつけることが大切です。
- まずはスマホが開くか確認し、クレジットカードの停止を優先する
- 次に、ネット銀行やサブスクの解約を進める
- 最後に、SNSや写真などのデータを整理する
心身ともに大変な時期かと思いますが、一つずつ順番に進めてください。